本カテゴリが今までなかったことに自分でびっくり。読まなさすぎ…
そんなわけで久し振りに読書したのですが、これが本当に面白い!!
「魔術と剣が生きる中世ファンタジー+直球の本格ミステリー」
という意外に思える組み合わせが、上手い具合にmixされているのです。
初めは登場人物と名前を一致させるのにちょっと苦労したけれど
物語が動き出してからは加速度的に面白くなって、気付いたら一気読みしていた。
舞台は小さな島ですが、その背後にある情勢や人々の関係性が
壮大な世界を形作っていて、ファンタジーとしても完成度が高いと思う。
自分はファンタジー寄りの目線で読んでいたので
ミステリ側の謎解きは物語に夢中でほとんど考えてなかったけれど
ひとつひとつの謎がきちんと論理的に明かされ、ラストに雪崩れ込む様は圧巻。
米澤穂信さんは、他に小市民シリーズと「インシテミル」しか読んでないけど
さらりとした気持ち良い文体とキャラクターの引き立てがすごく上手くて
今回もそれが遺憾なく発揮されています。
ヒロインであるアミーナの聡明さと芯の強さは読んでいて気持ちが良いし
探偵役ファルクと助手役ニコラの掛け合いは思わずクスリとしてしまう。
後半になるにつれて増すニコラの可愛さにもニヤけます。
(身長120cm、弟子、皮肉屋、声変わり前とかもうね笑!)難を言えば、装丁と題名の地味さかな。
最後まで読むと意味が分かるのだけど、記憶に残りにくいのが残念。
いつか続編が出てくれることを期待。
この登場人物たちをこの作品だけに留めるのはもったいない!
最近お気に入りの作家さんだったけど、ますます好きになった。
他作品もチェックしなければ…
PR
Comments
Comment form